スタジオライティング講座 白ホリでのシンプルなセッティング

「白ホリスタジオは使ってみたいけれどハードルが高そう…」「うまく撮影できる自信がない…」「証明写真のような写真しか撮影できない…」

そんなみなさん!

今回から、プロカメラマンの稲垣 純也さんを講師にお迎えしてのスタジオライティング講座をお届けします!

スタジオ撮影には興味があるものの挑戦できない方や、やったことがあるけれど満足行く撮影ができなかった方。

撮影スタジオ、特にシンプルな白ホリスタジオでは「ライティング」が大変重要です。

ライティング次第で、与える印象や写真のクオリティが大きく変わってきます。

すぐに実践できるライティングの引き出しを増やすため、実際に稲垣さんが撮影した際の設定を確認しながら「ライティングのコツ」を学んでいきましょう!

シンプルだけれどきれいに撮れる

ライティング講座初回は、シンプルなセッティングがテーマです。

稲垣さんが普段から雑誌などの撮影でも多用されている最もシンプルなライティングです。

どれくらいシンプルなのかといえば、今回ストロボにはアクセサリーをつけていません。

ストロボは単体で利用しています

シンプルにストロボ1灯の壁バウンスでの撮影です。

シンプルとはいえ、被写体をとてもきれいに撮影できる。絶対に覚えておきたいライティングを学んでいきましょう!

フロントトップの基礎

まず、1つ目のセッティングはフロントトップです。

フロントトップとは、被写体の正面、カメラより高い位置から被写体に照明を当てるライティング手法の一つ。

柔らかい光が被写体に照射され、自然な表情を引き出すことができます。

では、実際に稲垣さんが撮影した1枚を見てみましょう。

SONY ILCE-9 F2.8 GM
ISO 640 48mm f / 5.6  1/160sec
GODOX SK400 Ⅱ 1/8

透明感のあるこちらの一枚。フロントトップで撮影しています。

ライトやカメラの配置は以下のとおりです。

ストロボ単体を被写体の逆方向に向けて照射し、壁バウンスを行うことで被写体全体に柔らかい光が当たっています。

被写体の正面にライトを配置して、壁バウンスで撮影しています

スタジオライティングで、初心者の方に多く見られる”被写体に光がきつく当たりすぎている写真”は、このフロントトップに変えてあげるだけで、クオリティがぐっと高まります。

フロントトップと壁バウンスで被写体が優しい光につつまれる

続いてこちら。

SONY ILCE-9 F2.8 GM
ISO 640 47mm f / 5.6  1/160sec
GODOX SK400 Ⅱ 1/8

先ほどと変わって、動きを感じられるこの1枚。

ライティングは先程の一枚と同じ設定で撮影しています。

注目は肌。柔らかな光が当たることで、肌の綺麗さがより一層際立っています。

モデルさんの撮影では、肌を綺麗に写したいという思いは多くの方が抱くもの。

ソフトボックスやデュフューザー、カポックにレフ板…
様々なアイテムを駆使して、工夫を重ねることも大切ですが、場合によってはシンプルにストロボ単体を活用することが、魅力を引き出す近道になります。

光について考えることは大事です。ただし、ごちゃごちゃといじり過ぎないことも、同じくらい大事なポイントです。

ライティングはごちゃごちゃといじり過ぎない

SONY ILCE-9 F2.8 GM
ISO 640 60mm f / 5.6  1/160sec
GODOX SK400 Ⅱ 1/8

視線を外している、こちらの一枚。

これまでの2枚より被写体に寄っている1枚ですが、肌の透き通る感じがより伝わってくるのではないでしょうか。

ここまでの3枚、セッティングに変更はありません。しかし、どの1枚もスタジオライティングの良さを存分に活用できています。

シンプルなセッティングでも、このクオリティの撮影を行えることが実感していただけたのではないでしょうか。

少しライトの位置を動かすと、印象が変わる

ここまでは、フロントトップで撮影した写真について見てきました。

簡単なセッティングでも、ハイクオリティの1枚が撮れる。

なんだか、自分でもプロクオリティの写真が撮れる気がしてきていますよね?

ではその勢いで、今度はフロントトップ以外のライティングも見ていきましょう。

SONY ILCE-9 F2.8 GM
ISO 640 47mm f / 7.1  1/160sec
GODOX SK400 Ⅱ 1/8

まずはこちらの一枚。

ライトとカメラ、被写体の配置は以下のとおりです。

ライトの位置が先程までと比べて、少しだけ右にずれています。

もう一度よく写真を見ていただくと、モデルさんの顔の左側に影ができているのがおわかりいただけるかと思います。

右からライティングすることで、顔の左側に影ができています。

これにより、写真に立体感が生まれました。アパレルの撮影など、立体感のある写真が求められる現場で頻繁に用いられるライティング手法です。

サイドからのライティングで立体感が生まれる

SONY ILCE-9 F2.8 GM
ISO 640 47mm f / 7.1  1/160sec
GODOX SK400 Ⅱ 1/8

そして、こちらの一枚。

先程の写真以上に立体感を感じ取ってもらえるのではないでしょうか。

モデルさんの動きをサイドからのライティングによる影が、しっかりと引き立てています。

動きをつけて、立体感を表現したい際には、少しサイドからライトを当ててあげることで、影ができ立体感が感じ取れる一枚になります。

サイドからのライティングは動きのある撮影でも効果的

質問コーナー

今回の5枚の写真を事前にカメラマンさんにご覧いただき、質問や疑問を募集しました。その質問に稲垣さんに答えてもらいます。


稲垣

照明は大体顔を見て調整しますね。ファッションの場合は全身の服の印象も見ますが、基本顔です。

大竹

4枚目以降の照明配置では、特に被写体のどの部分を注視して調整しているのでしょうか? 僕が同様のライティングで撮影するとしたら、特に顔のハイライトとシャドウ部分のグラデーションの入り方(位置)に気を配ります。

稲垣

配置は、高さはカメラの少し上、基本斜め45度ぐらいに設置して、写真を撮ってから、大竹さんの仰る通り、顔のハイライトとシャドーのバランスを見ながら微調整しますね。影をつけたかったらより横からライティングを行います。


森川

今回のようなライティングの際にモデルさんのポージング(立ち位置)で気をつけることはありますか。
また、動きのある写真で光は変わってしまわないのでしょうか。

稲垣

このライティングは光を部屋全体に拡散するので多少立ち位置が変わってもほとんど露出(光の明るさ)は変わりません。ですので、自由に動いていただいても問題ないのです。

まとめ

今回はシンプルなライティングをテーマにお届けしました。

アクセサリーを活用したり、複数台のストロボを使用せず、シンプルなライティングで被写体の魅力を引き出せることがご理解いただけたのではないでしょうか。

今回のセッティングやカメラ設定を参考に、ぜひ撮影を行ってみたください!

  • シンプルなセッティングでもきれいな写真は撮れる!
  • 被写体の正面に配置するフロントトップ
  • 立体感を出したいときは少しサイドから
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